家庭教育支援法案について
まずはじめに、私はひとり親であり、二人の子のうち長男のほうは重度の知的障害があり、私の仕事形態は派遣です。
この状況ですが、全て私自身の責任にされているのですが、私の主張からすると、ひとり親になったのは私の責任ではありません。相手が放り投げたからです。(そういう相手を選んだアナタも悪いという理屈は認めない)
長男が障害を持って生まれたというのも、私の責任でもなければ長男の責任でもありません。(しかし、これを"宿命"とするカルト宗教も存在します)
そして、現在の派遣という形態。これも、私自身が望んでそうなっているわけではありません。今の日本では、正規の社員の転職の採用基準の年齢は35歳がリミットです。
私はもちろん正規の社員のほうがいいと思ってきましたが正規の社員というのは必ず残業があります。ひとり親で重度の障害を持つ子がいたら、残業などしていられません。母親が8時9時まで残業したとしたら、その間の家のことは誰がやりますか?
ですので、「派遣になったのは、その人の能力がないせい」という理屈は認めることが出来ません。少なくとも私にとっては当てはまらないからです。(派遣は、能力のなさからそうなっているのか?)
これだけ説明しただけでも、私が日常的に様々な問題を抱えているということは容易に想像出来ると思います。
もし、子どもに関わる社会的な問題点を本気で解決したいのならば、私の話に耳を傾けるのが一番だと思います。だって「当事者」ですから。
当事者の私からいうと、現在の私の生活で不足しているのは「お金と時間」です。
欲しいのは「お金と時間」なんです。(愛はもらっている!)
しかし、この「家庭教育支援法」には、どうやらお金も時間も含まれていないようなんですね(笑)
精神論だけでは人は生きていけません。
明日より始まる通常国会の中で、自民党が「家庭教育支援法案」を提出するらしいです。
これは、戦時中の1942年に発令された「戦時家庭教育指導要綱」と同じようなものらしいです。
文部科学省のHPを見てみました。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shougai/katei/1306958.htm
もう、ツッコミどころが多すぎて、1回で書ききれません。
"報告書"の二番目「つながりが創る豊かな家庭教育~親子が元気になる家庭教育支援を目指して~<その2> 」のデータはなかなか興味深いものがあります。
ここまではっきりとしたデータを示しながら、その解決のホコ先を"家庭"に求めるとは国の政策としてどうなのか? この<その2>に現れたデータは、政府の政策にそのホコ先を向けるべきものです。
<その2>のグラフで一番最初に示されているのは、世帯構成別割合です。
ここで政府が問題にしたいことというのが浮き彫りになっています。
ひとり親と未婚の子が全体に占める割合が22.6%です。これが気にいっていないはずです。そして、単独世帯の25.5%。高齢者も含まれているでしょうが、生産性の高い年齢層も多分に含まれているはずです。これも彼らは気に入らない。
夫婦と未婚の子のみの世帯は30.7%ですが、全体からすると3割です。この割合が一番多いのが理想的なのでしょう。何故なら「生産性が高い」から。
しかし、この図を引用するには、不足があります。何故なら、この図は年齢による分け方をしていないからです。彼らが焦点を当てたい年齢層というものがあるはずです。
つまり、私が先ほどから言っている「生産性の高い年齢層」のことです。
就労をしていて、夫婦が二人そろっていて、次の生産を生み出す子どもまでいる。これが彼らが考える「割合が多くを占めてしかるべき人達」なのです。
まず、第一段階で就労をしている夫婦で子どもがいる世帯に目を向けました。
図の中の三世帯世代7.9%にも着目しているはずです。少なすぎると。
ここももっと増えるべきだと考えているんですね。
だって、行政が支援している仕事を、祖父母がやってくれるわけですから、仕事は減るしそこにかけるお金も必要ないわけですよね。
住宅に関わる問題ももしかしたら解消出来ると考えているかもしれません。だって、家が一つだったら家賃を抑えることできますからね。
この図が示したいことというのは、3世帯(もしくは2世帯)で暮らし、家庭内の問題は家庭内で解決出来るようにするのが理想的ということなんです。
社会問題となっていることは、縦のつながりで解決できるだろうと。お金の問題も、人的な不足の問題も、2世帯・3世帯だったらフル活用すればどうにかなるでしょうと。
図は一言もしゃべっていませんけれどね。
この図が一番最初に出てきているという重要性は押さえておかねばならないと思います。
この図をもって、最終的な結論に導きたいというわけなのです。
HPの報告書をいくつか読んでみましたが、精神論ばかりで、今の私に必要なものは盛り込まれていませんでした。何故なら、私に必要なのは「お金と時間」だからです。
ある程度のお金がないと教育も満足に出来ないし、時間だってないと、子どもに向き合えないんじゃないでしょうか。
この法案が考えていることというのは、現時点で問題を抱えている人に対してのものではないのです。これからの人・これからの世の中の人に対してのものであって、現時点で問題を抱えている人は見捨てられています。
そして不気味なのが、「法案」ということ。家庭教育が「法律」になるという恐怖です。
家庭教育が法律に基づいて行なわれる ということになるのですか?
明日から始まる国会にこの法案が出てくるそうですが、当然「草案」を見せてもらわなければならないでしょう。(続く)
https://news.nifty.com/article/domestic/government/12136-370049/
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