障害の受容について
乙武さんの件。
ベストセラーになった「五体不満足」、私も読んでいます。
読んだ時期は、出てすぐの時期ではなく、自分の子に障害があるとわかってからでした。
その中で、一番心に残ったのは、乙武氏が生まれた時に母親が言った言葉でした。
乙武氏のお母さんは、両手・両足のない乙武氏を見て、開口一番にこう言ったそうです。
「なんてかわいい子なの!」・・・と。
乙武氏本人もすごいが、この子にしてこの親ありというのか、お母さんが素晴らしかったのだということを言いたいのだと思います。
たしかに一理あるのですが・・・
でも、もしかしたらこのお母さんの、「生まれた瞬間からの完全受容」が、乙武氏をひそかに苦しめてきたかもしれない、私はそう思っているのです。
紆余曲折があって、親子共々成長してきたのであれば、もしかしたら今回のような結果はなかったかもしれない可能性はあります。
報道にある、関係した女性の人数が多ければ多いほど、彼の満たされない心の渇望感がうかがえて、むかつくというよりかわいそうに思えてきます。
障害の受容には二種類あり、障害者本人の受容と、親の受容があります。(さらに言えば、きょうだい児の受容もあります)
周囲の人達は、子に対する親の受容を当然のものとして求めてきます。
それには、環境等、色んな要素があって、それらが自分の納得のいく状況になった時にはじめて受容が可能になると考えています。
乙武氏もね、一度でいいから「俺は本当は自分のこの体に満足なんかしていないんだ!!」と叫ぶことが出来ていたらよかったのにね。
親がいい子になることによって、子どももいい子であり続けなければならないという呪縛に、生まれた時から縛られてきたのでしょうね。
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