一万円札あげた

きのうの朝、出勤時に、目の前にホームレスの方がゆっくりと歩いているところに遭遇しました。

なぜゆっくりだったかというと、その方は靴をはいておらず、コンビニのビニール袋を幾重にも足にすっぽりとかぶせて足首の辺りでしばっていたので、足がすべるのでゆっくりしか歩けなかったのだと思います。


お財布の中から千円札を出して、小さくたたんで、その方に「よかったら使ってください」と言って渡したのです。

その方は私のガイドラインでは、千円を超えるレベルの方だったのですが、最近お金を他の人に差し上げる事が続いていたので、瞬間的に千円を渡したのです。

すると、その方が「絶対にお返しいたしますので、もう少し貸していただけますか?服も何も買えないんです・・・絶対にお返しいたしますので・・・」というので、千円札をもう一枚渡してあげようと思ってお財布を見たら、入っていたもう一枚のお札は千円札ではなく一万円札だったのです。

正直、自分でも一瞬迷いましたが、思い切って一万円札を差し上げました。

きっと、これはアカシック・レコードに刻まれていたのだ、私はこの方に一万円差し上げることになっていたのだと言い聞かせて・・・


だって、ゆっくりではありましたが、私が進む方向の真横からその方が進んでこられて、ばったりと会うようになっていたのですもの。

だから、私のお財布の中に入っていたお札2枚のうちの千円札ともう一枚が、千円札ではなく一万円札であったのも、そうなるべきものとして仕組まれていたのだ・・・(と思い込ませるしかない)

でも、後悔はしませんでした。

だって、目の前に、ビニール袋を靴の代わりにしている人が現れたら、どうしますか?


「もうこれでお札なくなっちゃったんです、ほらねっ」と言って、お財布の中が空になっているのをその方に見せたら、その方、ちょっとうれしそうな表情をしたんです。

すれ違っただけの人でも、その時持っている全財産を出してくれる人もいるんだなって思って、ちょっとうれしくなってくれたのかもしれません。