外套
今日は、ロシアのアニメーション作家のユーリ・ノルシュテインの75回目の誕生日だそう。
ノルシュテインといえば、やはり「外套」ですよね!
20年位前に、NHKでその「外套」のアニメーションが放映されたのを見たことがあるのですが、それっきりDVDにもなっていないのです。(未完でもいいから出してくれないかな)
もしかして、youtubeにあるかも?と思って探したら、ありました!
う゛れじい・・・
ずーーーっと見たかったのです。
「外套」は、ロシアのゴーゴリの小説です。
あらすじは、取り立ててこれといったところのない平凡な男が、外套を新調するのですが、男がその新しい外套を着ていると、追剥に外套を盗まれてしまうのです。そして、男は幽霊となって現れ、他の人の着ている外套を次々と盗んでいきます・・・と、こう書くと非常に平坦な物語に思われますが、そこは文豪です。その男のもの悲しさを淡々と綴っていくわけで、その雰囲気がいいんですよね。男が、外套を新調する時のちょっと得意げになるところとか。
映画で言ったら「自転車泥棒」、同じく本で言ったらカフカの「断食芸人」とかが好きな人にはおススメです。
カフカの「断食芸人」も、ある男が見世物小屋で断食をするという芸を見せていたのですが、最初は人々も面白がっていたのに、次第に男の存在を忘れていくというもの悲しさをうまく表現しており、せつないんですよね。
あまりに好きすぎて、コレクターズアイテムとして、ノルシュテインの絵コンテ(イラスト)が挿絵になった本を購入しました。これを買った時には、改めて読み返しはしませんでした。なんか、イラストが強すぎて文章のほうに集中出来ないのです。
ですので、岩波書店のプロモーターとしては、岩波文庫で読むことをおススメします。
私は本を先に読んでいましたが、これからという人は、ノルシュテインの作品を先に見てからでもいいかもしれませんね。
原作を読んでみたいと思わせる作品ですよ。
外套・鼻 / ゴーゴリ(岩波文庫・赤)
カフカ / 変身・断食芸人(岩波文庫・赤)
ゴーゴリ / 外套 (未知谷)
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