演劇版の「外套」

職場が新宿なので、「人形劇団プーク」の前を通りかかったりします。

ユーリ・ノルシュテインも取り上げた、ゴーゴリの「外套」を、ブルガリアから来た劇団が公演を行ないました。(日本語での公演というところがスゴイ!)

会社を早退してでも、観ればよかったなー。

今日は、その劇団のアンデルセン作「おとうさんのすることはいつもよし」の公演がありました。

このお話は私は未読なのですが、あらすじとしては、日本の「わらしべ長者」の真逆らしく、とりかえっこしていくものがどんどん悪いものに変わっていくというお話のようです。

私、小さい頃に「わらしべ長者」を読んだ時には、それは純真に感動したものでしたが、大人になってからはちょっと違った見方をしていまして・・・

なんか、ちょっといいことをしたらそれがすんごくいいことになるっていうところがですね、とても日本人的な考え方なのではないかと考えるようになったのです。

例えば、私の好きな絵本「しんせつなともだち  /  福音館書店」のお話も、「わらしべ長者」的な部分があるのですが、あのお話に出てくる動物たちって、自分の取り分はきちんと確保した上で余った分をおともだちに分けてあげようってことをしているんです。

そこがわらしべ~とは異なるところで、作者も中国だかそこらへんの人で、日本人が作ったお話ではないのです。

「素直に「わらしべ長者っていい話じゃん」」って思っておけばいいじゃん!と思う方もいらっしゃるかと思いますが・・・

ちょっと比較文化論的な話ですが、「こうなったらいいな~」的な理想的なお話って、日本人て昔から夢ばかりみて他の人がどうにかしてくれるっていう国民性があったのかもしれませんね。

日本の昔話って、正直者は報われるという話がすごく多いんですけれども、逆に見るとそれだけ報われない社会であったという裏返しかもしれません。

http://www.puk.jp/theatre/2016CREDO/overcoat.html

http://www.puk.jp/theatre/2016CREDO/daddy.html



このあと、名古屋と神戸で公演があるそうです。

完訳アンデルセン童話集5  /  岩波文庫(赤)に収録(お父さんのすることはいつもよし)


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