自分の歴史となるもの

自分のルーツと呼べるものを持っている人のことを、少しうらやましいと思います。

ないならないで仕方ないのですが、自分の核となるものを作る上で、一つしっかりとした選択肢があるというのはいいですね。

最も、人によってはなぜこんな星の下に生まれてしまったのかと自分を呪うようなルーツの場合もあるでしょうけれど・・・

なので、前回ご紹介したアイヌのトンコリ奏者のOKIさんだって、父親がアイヌ人だったということで、そこで自分自身「へえ、そうなんだ」で終わっても不思議ではなかったと思うんですが、敢えて自分のルーツの中に入っていったというのを知って、やはりうれしかったですね。

なぜ他の人のそういう部分に喜びを見出すのか。

生物の持つ本能的な部分なのでしょうか。自分のルーツにこだわるというのは、頭で考えるよりももっと本能的なものなのかもしれません。

自分を形作った物事についてずっと掘り下げていく人のことが好きで、例えばみうらじゅんさんとかやはりそういうタイプだと思います。

例えば、お母さんが終戦前に中国に渡っていたことがあるので、中国で日本がしたことに関心があるとか。そういう掘り下げ方もいいなと思います。

私の場合、特に掘り下げるような環境的なものがなかったため、こどもの頃に読んだマンガとか本がそのルーツと呼べるものなんです。

マンガも本も、他の子より多く読んでいた方だと思いますが、中でも「白土三平」先生は言ってみれば私のルーツと呼べる人です。

昔NHKの「BSマンガ夜話」で白土三平先生の特集をやっていた時があったようで見てみたのですが、皆さん、三平先生の魅力をよく押さえていらっしゃってとても面白いので、ぜひ見てください。

〖BSマンガ夜話 白土三平 / 「忍者武芸帳 影丸伝」2001年〗

https://www.youtube.com/watch?v=qxTrxpaxflM

番組中、岡田斗司夫さんが「カムイ伝を読むと、明日からムシロ旗持って駆け出さなければならないような気がして・・・」とおっしゃっていましたが、ええ、それでいいんです(笑)

※ 作品の登場人物の解説としては、岩魚(イワナ)というのは、沼に沈められた母を探して泳ぎ続けてきた息子(岩魚)が進化をし、わき腹に魚のようにえらが発達した男のこと。