労働組合の曲

労働組合のことに関して歌われている曲があることをみなさんご存知でしょうか?

イギリスで1984年~1985年の約1年間にわたって、炭鉱労働者と政府との戦いがあったのです。

当時の首相サッチャーの政策で、炭鉱はもう時代じゃないしって感じで労働者を切り捨てようとしたんですね。

で、当然職を失うことになる炭鉱労働者達は抵抗をしますが、同じ国民でも労働者側に立つ者と、効率重視の政権側に立つ者とで、意見が二分されたようなのです。

その時の状況を曲にしてリリースされたのがイギリスのThe Style Council の「Soul Deep」という曲で、名義は「Council Collective」としてリリースをしました。

ここでプチ雑学ですが、"共同体"を英語で表す場合、communityもあり、collectiveも共同体の意味は持っているのですが、communityが地域的な共同体などを指すのに対し、collectiveは(労働者の)共同体を指すんですね。

(私も今、ある共済に勤めているのですが、日本の共済でもワーカーズ・コレクティブ共済というところがあります。)

もう、このCouncil Collectiveのユニット名のネーミング自体がかっこいいんですが、ミュージシャンである自分達も同じ労働者だって言っているわけでしょう?)


Soul Deepの歌詞によると・・・

~There's people fighting for their communities

 Don't say this struggle - does not involve you

 If you're from the working class this is your struggle too~

(自分達の共同体のために戦っている人々がいる。このたたかいが君のことを含んでいない なんて言うなよ。君が労働者階級出身なら、これは君のたたかいでもあるんだよ)

・・・と言っています。そして

~Not supporting the miners - betrays that legacy~

(炭鉱労働者を支援しないことは、遺産を裏切ることになるんだぜ)

・・・ということで、この辺りとても保守的な考えであると言えます。そして

~We can't afford to let the government win

 It means death to the trade unions~

(俺たちは政府を勝たせるわけにはいかないんだ、それは労働組合の死を意味する)

・・・と言っています。

サッチャー首相の思惑は成功を収め、イギリスではそれまでにストライキだかデモだかが頻発していたのを、この時期に10分の1までに減少させることに成功したらしいです。

(たぶん、法律を改正したりしたんでしょうね)

ゆるせねえだ、サッチャー・・・

サッチャーによって、牙を抜かれたというわけです。


↓ council collective / Soul Deep

https://www.youtube.com/watch?v=dfoLlJwqVOE

(この当時、スタカンのメンバーはよく服の一部に赤い服を身に着けていましたが、それは共産党カラーではなく、当時のイギリスの労働党の「社会主義インターナショナル」の色を意味していたと推測します)

この時期はWham!もWham Rap!を出していたし、イギリスでラップがちょっと流行った時期だったのかもしれませんね。

色んな意味で歴史的に検証価値のある曲だと思います。






this must be the place

sisidothecatのブログ