共生について考える
「アラスカたんけん記」/ 星野 道夫 からの引用
星野さんがエスキモーの家族に会った時のお話。
その家族にミニというおばあさんがいて、山の中にエスキモーポテトをとりに行くというので、いっしょについていきました。
ところが、ミニがさがしているのはネズミのあなでした。
秋になるとネズミは、冬をすごすためにたくさんのエスキモーポテトをあなにあつめるのです。
地面をほると、ほんとうにエスキモーポテトでいっぱいのネズミのあなが見つかりました。
ミニはその半分だけをとると、もってきたさかなのひものをあなのなかに入れました。
「どうしてそんなことをするの?」とぼくが聞きました。
「ネズミがいっしょうけんめいあつめたエスキモーポテトをもらうのだから、そのかわりにわたしの食べ物をかえさなければいけないのだよ。」
ミニは、そんなこともわからないのかというように、教えてくれました。
アラスカたんけん記 / 星野道夫 (福音館書店)
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