ブックトーク(カラス・他)
今回のブックトークのテーマは「身近な生き物のこと、もっと知りたいな」です。
絵本にはけっこう、カラスってよく登場するんですよね。
でも、現実の世界では嫌われ者になってしまっています。私は何故か昔からカラスのことを悪く思っていませんでした。小さい頃から、見た目とかで勝手なイメージを付けられてしまうものとかに対して、よく分かりもしないのにそう思うのは違うんじゃないか、と思う習慣があったので、カラスに対してもそう思っていました。
戸田デザイン研究室の「カラス」は、作者の戸田こうしろうさんがある女の子からもらったお手紙からインスパイアされて書いた絵本です。
そのお手紙とは、「カラスがベランダの植木鉢に埋めてある種を掘り起こしてしまって私は困っています。」という内容だったのですが、困っている中にもその少女のカラスに対する優しさのようなものが感じられ、女の子がケガをしたカラスを家族で手当てをしてまた飛べるようにしてあげてさようならをする…というお話を創作したとのことでした。
あとがきには、「私達が出したゴミの中から食べ物を探すカラスを悪い者としてのけ者にして、自分達人間は食べたいものを食べたいだけ食べる。何故カラスが都会にまでやってこなければならなくなったか。カラスのことを考えることは、私達の暮らしの在り方を考えることにもなるのではないか」というようなメッセージがあります。
昔は「カラスなぜなくの カラスは山に~」と唱歌になっていた時代もあったではないか、と。(カラスといっしょにかえりましょう~もありましたね)
カラスだって一生懸命に生きているんですから、もしゴミを散らかすようなことがあっても、そっと片付けてあげればいいのです。
「にわやこうえんにくるとり」は、そのタイトル通り、庭や公園に来る鳥を20種類集めた本です。古い本で一旦絶版になったのですが、一度復刊しました。(現在はまた絶版)
私達がよく知らないだけで、スズメ以外にも身近な鳥って来ているんですよね、ということがわかります。最後のページにしっかりとカラスも載っているところが好きなポイントです。一般的に美しいとされているものだけ集めるというのでは、この本の趣旨から外れてしまいますからね。本当に鳥を好きな人ならば、カラスにさえ美を見い出すのではないかと思います。
私の「カラスのこと、カラスの立場からもう少し考えてみよう」というメッセージ、子ども達も真剣に話を聞いてくれていましたよ。
カラス / 戸田デザイン研究室
わたしのカラス研究 / さえら書房 (↑かわいいね)
にわやこうえんにくるとり / 福音館書店
にわやこうえんにくるとり / 福音館書店
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