ブックトーク(ツバメ)
今回のブックトークのテーマは「身近な生き物のこと、もっと知りたいな」です。
「今、ちょうどツバメが巣を離れる時期ですね。私が毎日見ているツイッターの人がですね、ツバメの巣を見つけてその写真をアップしているのですが、ツバメの巣を見つけて喜ぶような人、素敵ですよね…」とほぼ独り言のようなトークは皆、聞いていなかったと思う(笑)
「ツバメの巣、見たことある人~?」と聞いたところ、結構いましたが全員ではありませんでした。新宿で見つけるのは難しいですね。私が知っているのは近所でたった一ヶ所だけ。
それもここ2年ほど見かけていません。さみしいな。
「ツバメ観察記」は、ツバメの巣作りから雛が成長して飛び立つまでを写真に収めた本です。
面白いのは、途中で一旦巣立った別の巣の子が混ざってきて、2日間ほど巣にいたのですが、意を決したのか、一足先にいなくなるところです。親も他の子を追い出すということもなく、元から巣にいた子達も普通に受け入れていて。それだけ巣を離れるということが大イベントだということが、鳥同士分かり合えているのでしょうね。
私の実家に、ツバメがよく来ていたので、ツバメには詳しいのです。
巣を立つ時って、一斉にいなくなるのではなく、ちょっとずついなくなっていくのです。本当は子ども達で打ち合わせをして「今日にしようぜ」とか話はついていたのかもしれませんが、結局戻ってきたりして。全員一緒にいなくなるというパターンはあまりないのではないかと思います。
ツバメの巣が、その季節になると見られるように保つ努力を人間はしなければなりませんね。
ツバメが登場するお話として、アンデルセンの「おやゆび姫」も紹介しました。チューリップの花の中から生まれた親指ほどの小さな女の子が、ガマガエルと結婚させられそうになるのですが、傷付いたツバメを介抱してあげたところ、そのツバメの背中に乗せられてお花の国の王子様のところへ連れて行ってもらうというお話です。(ステキ!)
もう一つは「幸福の王子」
きれいな王子様の銅像の下にいたツバメの上に、雨粒が落ちてきましたが、それは雨ではなく王子の落とした涙だったのです。
王子は、「毎日ここから街の様子を眺めていると、かわいそうな人々が多くて私は涙が出る。ツバメよ、私の目に埋め込まれているサファイアをあの貧しい母と子に届けてくれないか」とツバメに頼みます。ツバメはそんな事は出来ないと断るのですが、王子がどうしてもというのでサファイアを届けます。
両目のサファイアがなくなると、今度は王子は剣に埋め込まれているルビーを抜いて、別の人に届けてくれと言います。
サファイアもルビーもなくなると、王子は「私の体に貼り付けられている金箔をはがして、困っている人々に届けてくれ」とツバメに頼みます。
そして、宝石も体中の金箔もすっかりなくなった王子は、灰色のみすぼらしい像になりました。冬のある日、暖かい地方に行きそびれたツバメは、王子の像の足元に落ち、息絶えます。
市長は「こんなみすぼらしい像は取り壊してしまえ」と言って、王子の像は取り壊されてしまいます。しかし、それを見ていた神様が天使に「あの街で一番清らかなものを持ってきなさい」と伝えると、天子は王子の心臓とツバメを持って天に上がっていきました…というお話です。
幼稚園から小学校低学年の間に読む本として最適なのですが、読んだことある人~?と聞いてみたところ、2,3人くらいしかいなかったので、一緒に紹介しておいて良かったと思いました。
「幸福の王子」の作者のオスカー・ワイルドをもじったThe Smithsのインストロメンタルの曲、「Oscillate Wildly」も、絵本のイメージにぴったりなので聴いてみてくださいね。
↓ 王子とツバメが眺めている景色のようでステキな映像です。
https://www.youtube.com/watch?v=L9h_QLN5Qls
ツバメ観察記 / 福音館書店
おやゆびひめ / いわさき ちひろ(講談社)
しあわせの王子 / いもと ようこ(金の星社)
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