素晴らしい息子
息子(次男)のクラスメイトで、小学三年生までは学校に来ていたのだけれど、三年生の一年間、ずっと不登校になってしまっていた子がいました。
就学直前の保育園で一緒だった子でもあったし、何か出来る事はないかと思っていたところ、四年生になった日に、その子が息子の隣の席になったと聞きました。
その時に、私は息子にこう言ったんです。
「Tくん(←息子のこと)は、隣の席になったんだから、責任があるよね」と。
そうしたら、息子はその言葉を聞いて「ぼく、○○くんに電話をかける」と言って、電話をかけたんです。一度かけると、その次の日もかけないわけにはいかなくなるじゃないですか。
それで、毎日、電話をかけたんです。
相手の子は電話口には出ませんでした。うちの息子は、その子のお母さんと話していたわけです。
クラスのルールで、お休みの子にはプリントを机の中に入れる、などというお世話を、隣の机の子がやるというものがあり、それを意識はしたのかもしれません。
しかし、その子のお母さんは毎日学校に行っており、連絡物等に関しては、うちの子からの連絡を聞かなくても間に合っていたはずで、息子もその事は知っていました。
それでも、息子は私の言った「責任があるよね」のひと言で、自分がどうすればいいのか考えて、毎日電話をかけることにしたのです。私は電話をしなさいとはひと言も言いませんでした。
その不登校の子は、毎日お母さんと一緒に途中から登校し、下校前に帰ったりする日もあれば、保健室で給食を食べたりしていたそうです。
お母さんのほうには、私から「もし負担になるようだったら、その時はやめるから遠慮なくおっしゃって下さいね」とお伝えしていました。
1ヶ月以上、電話を続けたでしょうか。もう電話は大丈夫と伝えられて、電話をやめました。
その子のお母さんには、「給食の時間から来たっていいと思いますよ。なんなら、放課後ひろばから来たっていいと思います。1時間目から来ようと思うと重くなるから、柔軟に考えてみてくださいね」と私からはお伝えしていました。
そうすると、給食の時に来た日の次の日は4時間目から、4時間目から来た日の次の日は3時間目から・・・というふうに、時間が繰り上がっていったのです。
電話をやめるのと同時に、土日はうちに遊びに来るということを提案しました。
土日うちで一緒に遊んで月曜日を迎え、次の土日をまた一緒に遊ぶことを考えれば、学校に行く5日間もきっとやり過ごせるのではないかと考えました。
こうして、2学期も終わりに近づいた今、4年生になってから一度も学校を休むことなくその子は学校に来ているのです。
私が言った「あなたには責任がある」という言葉をすぐに理解し、自分で考えたことを実行した息子を誇りに思い、この出来事は死ぬまで忘れないことと思います。
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