しんせつなともだち
大学を卒業してから書店に10年勤めました。担当していたのは児童書です。
岩波書店と福音館書店の本が大好きです。
福音館書店の社屋のある白山通りを車で通る時には、いつも福音館書店を眺めながら元ダンナに「いつかここで働きたいんだよね…」と話していました。
今でもその気持ちは変わらず、掃除のおばさんでもいいからいつか働いてみたいと思っています。
その福音館書店から出ている「しんせつなともだち」が好きです。
冬のある日、うさぎさんのおうちのテーブルの上に誰かがかぶを届けてくれたのに気がついて、うさぎさんが「ロバさんがおなかをすかせているかもしれない」といってロバさんのおうちに届けると、ロバさんが「うさぎさんがおなかをすかせているかもしれない」といって次々と別の人(人ではないけど)に届けてあげるのです。(皆、不在で置いて帰ってくる)
最後にうさぎさんの元に戻ってくる、という単純といえば単純ではあるのですが、とってもほっこりします。
クリスマスの絵本のフェアの時には毎年並べました。
この本のいいところって、どの動物も自分の分を確保したあとに、そのかぶを「そういえば○○さんはおなかをすかせているのではないかしら?」と思いやる余裕があるところなんですよね。
例えば、「わらしべ長者」だと、みかんがどんどんいいものに変化していくというのがあるではないですか。なんか、それってちょっと下心あるというか、そんな夢みたいな話があるといいなみたいな部分を感じるんです。
でも、この本では、自分の分はしっかりと確保をするというところがあり、現実的な考えのもとに、その上で人に愛を与えましょうという姿勢があって好きなんです。
しんせつなともだち / 福音館書店(こどものとも傑作集)
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